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ment-la-ment blog

かに…あわ…あわ…かぷかぷ…あわ…あわ…

汚物の夢

巨大な蛆が口を開け僕のことを飲み込んだのだ。僕の自我は汚物と共に蛆の腹の中で削ぎ落とされ、僕は蝿の王として生まれ変わったのだ。
さぁ、夜の街へと羽ばたこう。ナイフを手に涎を垂らしながら路地裏をさまようのだ。よし、あいつにしよう。腐肉のような赤い服の女。鼻を削げ!!目を抉れ!!むき出しになった脳みそにナイフを突き立てろ!!さぁっ!!さぁっ!!さぁっ!!

……。……。凡人だったのだ。狂人のふりをしていたのだ。蛆に喰われた僕は蠅の王になったのではない。単なる汚物だったのだ。
コツコツコツ…。赤い服の女が通り過ぎていく。青白い月が雲に隠れ路地裏は漆黒に包まれていく。
コツコツコツ…。女は角を曲がり消えていく。無月の夜。
僕はドロリとした闇の中、ひとり涙を流し立ち尽くしていた。ギャー。遠くでカラスが鳴いた。僕は静かに喉にナイフを突き立て、ゴミ袋の山に突っ伏した。さぁ、ゴミに湧く蛆達よ。僕の体を食い尽くし、この世から完全に消し去ってくれ。