旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
山寺さんラフラフ中。いつものようにもう一段ラフを挟むのでまだかなり雑です。巨人ではなく、どちらかというと小人や野鼠がやってくる人間サイズの山寺にしたいので植物にテコ入れしないと…。
話が変わりますが山寺と言えば芭蕉です。私はあんまり俳句は詳しくないのですが、芭蕉くらいならわかります。では、「芭蕉の句の中でどれが一番好き?」と聞かれたら、迷わず答えるのは『旅に病んで夢は枯野をかけ廻る』です。
この句の持つビジュアルは非常に鮮烈です。枯野を吹き荒れるビョォビョォとした常世からの風に乗って芭蕉の心が声無き泣き声をあげながら駆け回っている様子が目に浮かびます。
初めて聞いたときは、夜に寝床で頭の中がグルグルして寝付けませんでした。
好きなのですが、その一方で「旅に病んで」の字余りについては、未だによく理解できてません。
一呼吸おいて悲しみを噛みしめるのが目的だと思うのですが、そうなると「かけ廻る」という大きな動作よりもトボトボ彷徨う或いは立ち尽くすような静的な結びの方が良いような気がします。
誰もが思いつく「旅に病み」の方が「かけ廻る」に対してダイナミックに繋がる感じがして良い気がするのです。
教えて、俳句にあかるい人。
ちなみに、俳人で誰が好きかと聞かれたら……山頭火かな。