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現在コミュニケーションが少し辛いので、スターはつけにいきません。ごめんなさい。

ちょっと難解な映画の紹介

今日はちょっと難解な映画について語る日。私がそう決めました。完全に意味不明な映画ではないです。あまり語れないので…。


まずはこれから「未来世紀ブラジル」。
テリー・ギリアム監督の問題作。秩序に完全に支配された近未来的などこか不思議の国のお話。主人公は、そんなスケジュール帳みたいな世界の中で、ひとりの個性的なおっさんとひとりの魅力的に女性に出会い、自我に目覚め統制からの脱出を計る。
しかし、そんな主人公のその行動は、やがて狂気じみた巨大な秩序に飲み込まれていくのだった。

次、映画史に輝く大名作「時計じかけのオレンジ」。巨匠スタンリー・キューブリック監督。意味不明さでは「2001年宇宙の旅」の方が上だけど、あちらは完全にアート映画なので、こちらを取り上げます。
表面的には平和だがどこか歪んだ鬱屈した社会。若者達は前衛的な思想に走り、暴力に己の居場所を求めていた。今日もまた若者の暴力に晒される老人。
しかし、老人達もまた法と秩序という暴力により若者の思想を蹂躙する。混沌とした社会がハイセンスな映像とスタイリッシュな台詞で展開される名作。

三つ目、「死霊のえじき」。ジョージ・A・ロメロ初期のゾンビ3部作の3作目。現代ゾンビの概念を築き上げた「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」、終末思想と人間の愚かさを描いた「ゾンビ」に続き、3部作で最も狂気的な作品。薄暗い地下の閉塞感と暗く沈み込む味わいが良い。

四つ目「アメリカン・ビューティーサム・メンデス監督。極々平凡な家庭。そんなどこにでもある家庭がふとしたきっかけから崩壊していく。だけど、きっとそれが本当の姿で、表面的には平和に見えるどの家庭も本当は既に崩壊しているんだ。

五つ目「地獄の黙示録」。フランシス・フォード・コッポラ監督。戦争映画は基本的に好きじゃないんですが、これと「フルメタル・ジャケット」は大好きです。ベトナム戦争特有の陰鬱な雰囲気と戦争の無常感を全面に押し出した名作。

邦画から「鉄男」。塚本晋也監督。男と鉄が混ざる話。それだけだが、これがかっこいい。すごく邦画らしい邦画。

ラスト、同じく邦画から「回路」。黒沢清監督。ひとりの失踪から始まる日常の違和感。そこから崩れてゆく世界。ジャパンホラーの中では一番好きです。血は全く流れない、突然化け物が出てくるような演出もない。ただ、淡々と世界は滅んでいきます。

以上。なんかまだあったような気もするけど思い出せないから終了です。