メリーポピンズに失敗する夢
古い神社の裏に回ると急斜面になっており、崩れかけた石段が遥か彼方まで続いていた。
辺りには濃霧が立ち込めていて、顔をしっとりと濡らす。
季節は夏。時刻は昼頃だと思うのだが、漂う霧と標高による寒さでぶるっと身震いする。
どことなく霊的な感じもしなくもない。
僕は傘を持っており、何故かはわからないがメリーポピンズのようなことができると考え、石段を無視して急な斜面へ向かって大きくジャンプし傘を開いた。
その瞬間、自分がもう子供じゃないことを思い出した。子供じゃなければ傘は体重を支えることができない。裏返って落っこちてしまう。
時間がスローになり、先ほど自分が立っていた場所を振り返ると、そこにはいつの間にかたくさんの人が傘を差して立っており、自分のことを見下ろしていた。その表情は傘で隠れて見ることが出来ない。
そして、僕はバサッという傘の裏返る音を聞いた。
そんな夢を見ました。
イラストは線画中。