暗い気分の夜は死後の世界を妄想する
おそらく日本人の95%は死んだら無になるという考え方だと思うが、厳密に言うとこれは間違っている。
正しくは「最初から無」である。
無から有は生まれないし、有が無になったりはしない。
つまり、生きるも死ぬも何も人生は始めっから虚無なのである。
遺伝子は残る。行った社会貢献は後の世に生きる。世界はそうやって小さな命の組み合わせで回っている。
言葉ではわかってはいるが、空になってシュコシュコ空気を流している心の臓は埋まらない。
人生と言うのは無明の闇が見た一睡の夢。そう思って、今日もみんな首を括る。
だから、私は死後の世界の話が好きだ。あるかないか、本当か嘘かはどうでもよい。
死んだ私は泣きながら永遠に夜空を飛び回る。来る筈の無い朝を待ちながら…。