雨と下水と僕と悲鳴の話
夜は朝日に溶け、雨となり、シトシトと僕の体を濡らす。辺りには棺桶の臭いが漂っていた。街全体がまるで死体のようである。そこかしろに蛆が巣食った腐乱死体の街だ。
僕は海藻のような前髪の貼り付いた顔で天を仰いだ。どこまでも灰色だ。雨が降っているのか僕が登っているのかわからなくなる。そして、空はひっくり返り、雨が登り僕が落ちていくのだろう。ふと硫黄の臭いが鼻を突いた。どういうことだろうか? 雨にうたれた僕の体が紫色の煙をあげながらシュワシュワと溶け始めたではないか。溶けた体はゆっくりと暗闇に満ちた下水溝へ流れていく。僕は悲鳴をあげた。しかし、その悲鳴も声帯ごと溶け落ちる。下水に流れ込んだ僕は誰の目にも触れずに、いつまでもいつまでも低い悲鳴をあげ続けるのだろう。そうして、雨があがり、蛆は消え、世界は平和になるのだ。
と書いてみたものの別に深い意味はないです。偏頭痛持ちなので、雨の日は頭が重いです。
頭痛の時にいつも思うのですが、頭の中に脳みそがあるってのはきっと嘘だ。ホントは真っ黒な血が詰まっているんだ。雨の日には水かさが増し、その中にいる虫が「苦しいよ、溺れるよ」って泣いてるんだ。誰にも知られずに泣いているんだ。