ment-la-ment

現在コミュニケーションが少し辛いので、スターはつけにいきません。ごめんなさい。

眠い夢

眠い夢を見た。

 

帰りが遅くなってしまった。子供達を保育園だか託児所だかに迎えに行かないといけない。

街は徐々に黒く塗られ、その中でネオンの光だけが薄ぼんやりと滲んでいた。何故かとても眠く、足はノロノロとしか進んでいない。

ネオンの光は前進し、後退し、渦巻き、滲んでいく。代わりに視界の淵から褪せた黄色が入ってきて、視界は徐々に黄色と褪色した黒に染め上げられてゆく。全ての物の輪郭がはっきりせず、ふわふわと浮いているような感じがする。眠くてたまらない。

 

目的地についた。見上げるとその保育園だか託児所だかわからない建物は、3階建てで、丸い屋根の形が黄色の空を鈍く齧っていた。入り口に立つとゆっくりと自動ドアが開いた。靴を脱ぎ足を引き摺りながら歩いて行く。

中は図書室のようになっていて、床に散らばった絵本を子供達が寝転びながら読んでいる。引き摺る足に本が引っかかる。黄色と黒の縞々のTシャツを着た子供達が棒を振り上げ学生運動をしているような表紙の絵本だった。側にいた5歳くらいの女の子が「かくめいだ」と言いながら、その本を引ったくって行った。

 

部屋の中央には2階に上がる階段があった。開放的なデザインで、やはり階段にも絵本が散らばっている。

2階から息子の声が聞こえた。

「あっ、パパだ!ちょっと待ってて」

姿は見えない。担当の職員の声も聞こえた。

「こんばんは。帰りの支度をするので少し待っていて下さいね。(娘の名前)さんなら、今3階にいますよ」

 

手摺にしがみつき、眠気で泥のように重くなった足を腰から引き上げながらゆっくりと階段を登る。黄色と黒の世界は徐々に一色に混ざり合っていく。

眠い眠い…。

2階にたどり着く。

体はドロドロと溶けて背景と一体化していく。

眠い…ねむ…い…。

這うようにして3階に向かう。

ねむ……ね………。

黄色と黒の混ざった一色の世界の中、3階にたどり着いた。

 

そのまますぅーと暗くなりゆっくりと目が覚めた。静かな部屋の中にカチコチと時計の音だけが響いている。

廊下に出て、子供部屋を覗くとふたりともすぅすぅと寝息を立てていた。寝室に戻り布団に潜り込む。

常夜灯に包まれた部屋。今が夢か現実かは分からないが、眠気は再び私を包み込み今度は色のない闇へと落としていった。